中小製造業の経営に管理会計を!在庫を見る指標

在庫金額を評価する指標を紹介します。

下記は、ある会社のひと月の生産活動のお金の流れです。

この場合、在庫保有日数は、月末在庫(335)÷売上原価(240)=1.4か月になります。
月末の在庫金額は、売上原価の1.4か月分あるという意味です。
これは、材料の購入から製品の製造、販売までに1.4か月かかっていると考えられるので、弊社では在庫保有日数をリードタイムと呼んでいます。
在庫回転率は、売上原価(240)÷月末在庫(335)=0.72です。
率と言っても、xx%で表すものではなく、在庫がひと月に0.72回転するという意味になります。
在庫保有日数と在庫回転率は、分母と分子を入れ替えているだけなので、同じことを表しています。
どちらかに決めて、継続して見ていきます。
以下の説明では、在庫保有日数を採用します。
この指標は、在庫金額を絶対額でみるのではなく、売上との関係で見ています。
例えば、在庫金額が変わらなくても売上が下がっているのであれば、在庫保有日数は長くなるので、在庫は多い(在庫がコントロールされていない)と評価します。
JIT型生産と非JIT型生産の比較で説明します。

JIT型の生産の在庫保有日数は、月末在庫(335)÷売上原価(240)=1.4か月です。
一方、非JIT型の生産の在庫保有日数は、月末在庫(1,160)÷売上原価(218)=5.3か月です。
在庫保有日数は、キャッシュフローに大きく影響します。
在庫保有日数(リードタイム)の短縮を目指して、改善活動を推進すべきです。
改善活動は、現場が主体となって、現地、現物主義で行います。
経営層は、現地、現物を見た改善状況の確認と、会計情報による確認が必要です。
ProSee Viewの画面サンプル(棚卸資産状況)をご紹介します。
このように、月別の推移を在庫の絶対額と指標をセット表示します。
在庫が事業別に分けられるのあれば、事業別に見ていきます。

補足
在庫保有日数、在庫回転率の算出は、上記では売上原価を使用しましたが、売上高を使用する場合があります。
また、当月の実績ではなく、当月実績と翌数か月の見込みの平均値を使うこともあります。
在庫保有日数は、30をかけて、日数で表す場合もあります。
厳密に考えすぎることなく、算出法を決め、継続して見ていくことが重要です。
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