中小製造業の経営に管理会計を!ProSee Viewではじめる管理会計のシステム化

1.管理会計のしくみはシンプルに
会計には、財務会計と管理会計があります。
財務会計は、外部報告のための会計です。
そのため、資料(損益計算書、貸借対照表など)の作成は、決められたルールに則って行います。
資料をつくるのにも、資料を見るのにも相応の知識が必要です。
一方、管理会計は、自社の業績改善に役立つ情報の作成を目的として行うものです。
財務会計のルールに則る必要はありません。
自社の事業環境、マネジメントレベルに合わせ、それぞれの会社が自由に発想して行います。
管理会計は、業績改善に役立つ情報作成の知識は必要ですが、
・厳密性にこだわりすぎることなく
・会計の専門知識がなくても一般常識でわかる内容で
しくみを構築すればいいのです。
財管一致(財務会計に管理会計の要素組み込む)という考え方もありますが、行き過ぎると、
・しくみが大がかりになる(会計のシステムが大きくなる)
・複雑、難解で一部の人しか理解できなくなる
・情報が多すぎる(しかし肝心な情報はない)
の現象が発生します。
業績資料の種類、項目が増え、業績報告が儀式化することもあります。
以上のことから中小製造業に、このやり方はおすすめできません。
中小製造業では、管理会計は財務会計と切りはなし、
・シンプル(簡潔な資料)
・わかり易い
・役に立つ
をコンセプトにしくみをつくります。
管理会計を財務会計と切りはなしてと言いましたが、一致すべき値は一致するようにします。
(要点をおさえた財管一致です)
こうすれば、財務会計もシンプルにできます。
財務会計と管理会計は目的が異なるので、それぞれその目的に沿ってシンプルなものにする方がいいです。
特に管理会計のしくみは、皆(会計の専門家ではない人)にも活用されなくてはならないので、シンプルでわかり易いことを重視して構築すべきです。
2.管理会計のシステム化とは
管理会計のしくみ構築で一番手っ取り早いのは、
・Excelで表をつくる
・値を手入力
・計算で求められる項目は計算式を入れる
でしょう。
しかしこのしくみでは、
・値を手入力する手間
・間違いが発生する余地あり
の問題があります。
また、事業別の内訳と時系列推移などを表示しようとすると、とてつもなく大きい表(横長の表)になって、見づらい(読み取れない)という問題もあります。
手入力の手間を改善するために、明細データを別のシート(ファイル)におき、資料の表は、データを参照して表示する方法もありますが、こうすると
・資料のファイルを開くだけで時間がかかる
・しくみが複雑になり、作成した人しかわからない(引継ぎ困難)
・いつの間にか参照元の範囲指定、計算式がくるって値がおかしくなる場合がある など
の問題が発生します。
管理会計のしくみをExcelで構築しようとする限り、このような問題を回避することはできません。
そこで、ご提案するのは、業績情報のデータベース化です。
明細データをデータベースに取込み、それを集計して業績情報を作成し、専用画面で表示します。
明細データの取り込み(業績データベースへのデータ連携)を自動化できれば、業績情報の作成が無人化され、スピードアップし、情報共有も効率化されます。
業績データベース、情報表示画面の専用ツールは必要になるものの、安価なツールを使用すれば、Excelでの管理会計のしくみを運用しつづけるよりも、メリットは大きいと考えます。
業績情報の作成は、毎月繰り返される定例、定型業務です。
これを、人手をかけずに業績情報を作成し、必要なときにすぐに参照できるしくみにすること、これが管理会計のシステム化です。
ProSee Viewは、製造業でExcelによる業績資料の作成を担当し、上記のような問題意識をもち、解決策を構想していた実務者の思いをかたちにした「中小製造業向けの業績管理ツール」です。
管理会計システム化の中核ツールとしてご使用いただけます。
次回以降の記事では、ProSee Viewによる管理会計のシステム化を具体例でご紹介していきます。