中小製造業の経営に管理会計を!経営者が欲しい業績情報とは

経営者が欲しい業績情報とは何でしょうか。
それは、「どうすれば利益が増えるかがわかる(その手掛かりになる)業績情報」ではないでしょうか。

具体的にはどような業績情報なのか、それを考える前に、先ず「どうすれば利益が増えるか」の考え方を整理します。
こちらのページをご覧ください。

この考え方に沿って、業績情報(ProSee Viewの業績画面)を作成します。

図の項目(売上高、売上原価など)を縦に設定します。

売上高、売上原価(変動費_直接材料費)、付加価値は、製品グループ別に表示します。
全社の下の製品グループを選択すると、その製品グループの情報が表示できます。

固定費(製造費、販売費及び一般管理費)は、製品グループには分けず、共通を選択すると表示するようにします。
固定費も製品グループに分けて(按分して)表示することも考えられますが、ここでは共通に表示します。
製品が生み出す付加価値全体で、固定費の合計を回収するという考え方です。

次にこの業績画面を作成するための入力データを説明します。

売上高:売上の伝票明細データを取り込み集計します。

売上原価(変動費_直接材料費):実績原価計算(直接原価計算)の結果を使用します。

実績原価計算のしくみがない場合は、製品マスタに製品コード別の一台当たりの直接材料費を登録し、台当り直接材料費×売上数量で算出します。
製品一台当たりの直接材料費は、部品表(BOM)からの積み上げ計算で算出します。
それが難しい場合は、見積りの段階の値を使用などの方法があります。
精緻に考えすぎず、実行することが大事です。

固定費(製造費、販売費及び一般管理費):会計システムの部門費データを使用します。

付加価値、付加価値率、営業利益、営業利益率は、計算で求めます。

付加価値:売上高-売上原価(変動費_直接材料費)
付加価値率:付加価値÷売上高
営業利益:付加価値-固定費計
営業利益率:営業利益÷売上高

下記は、一か月のデータを入力した業績画面です。

ここに表示している項目から、損益分岐点売上高の算出が可能なので、項目を追加して表示します。
算出方法は、画面に表示の計算式でご確認ください。

これで、当月(一か月)の業績情報が作成できましたが、経営者が欲しいのは、これらの数値が過去から現在までどのように推移しているかです。
この推移情報こそが、会社の実態、実力を表します。
過去の打ち手がどのように業績に表れているかが確認できます。
(下の画面は、過去数か月しか表示していませんが、スクロールで数年分の表示が可能です)

データの作成は、過去に遡ってデータを入力し、当月までの業績情報を一括で作成します。
翌月からは、毎月、ひと月分のデータを入力して作成していきます。
(毎月、列が増えていくイメージです)

業績情報は、鳥の目、虫の目、潮の目で見るという教えがあります。

鳥の目、潮の目で見るため、過去データは、できるだけ長く遡って作成するのが望ましいです。
虫の目は、製品グループを細分化する(階層をつくる)か、集計の元データの明細データを活用します。
明細データは、業績画面からドリルダウンで表示できます。
固定費の部門別、費目別の内訳は、部門費集計表として別画面にします。

画面の全体像は、製品の狙いページの下の方に、製品の狙いページの下の方に、類似の画面を掲載していますのでご覧ください。
・変動損益計算書
・損益キャッシュフロー結合計算書

さらに経営者が欲しい情報として、これらの予測情報があります。
経営者の関心は、未来にあります。
今後、このような手を打っていく、その場合、営業利益はどうなるのか、この予測情報が重要です。
予測情報の作成、表示については別途ご説明します。

どうすれば利益を増やせるか、それは「いかに固定費を増やさずに付加価値を増やすか」です。
・各製品(製品グループ、業種によっては得意先)は、どれだけの付加価値を生み出しているのか
・固定費の発生状況はどうなのか
・その変化はどうなのか
こうした実態を数字で確認し、数字に基づき打ち手を考え実行していく、そのための必要情報がご紹介した業績画面です。

これは、製造業の経営者が欲しい業績情報であり、製造業の経営になくてはならない情報であると言えます。

また、業績情報は、シンプルでわかり易いことが重要です。
ご紹介した業績情報は、要点を絞り込んで「製品売上が生み出す付加価値が固定費を回収し利益をだしているか」だけを表しています。
専門の会計知識がなくても、一般常識で理解できると思います。
また、経営者の感覚に合っていると思います。
そのような意味からも、経営者が欲しい業績情報と言えるのはないでしょうか。

実務担当者の方へ

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この記事を書いた人

ソートウェアは、製造業向けの原価計算、管理会計システム構築の専門会社です。業績管理の強化、効率化によりお客様の収益改善に貢献すること、それが弊社の使命であると考えています。

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